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自己破産に離婚の問題が絡む場合

  • 文責:弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2021年6月4日

1 自己破産と離婚

離婚は基本的に本人間の合意のみで行うことも可能ですが、状況により、複数の法律関係が生じることがあります。

自己破産前後の離婚に関し、どのような問題が考えられるか、いくつか説明いたします。

2 離婚の慰謝料

⑴ 不貞行為等を理由とする離婚の場合には、別途慰謝料請求権の問題が生じる場合があります。

慰謝料については、請求する側、される側それぞれの側面から考える必要があります。

⑵ 慰謝料を請求する側の自己破産

慰謝料請求権は、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)の一種とされています。

この慰謝料請求権については、性質上差押えが禁止される財産と考えられていることから、慰謝料は自己破産をした後でも受け取ることができるものとなります。

もっとも、和解成立等により破産手続き中に具体的な金額が確定した場合には、差押えを禁止すべき性質(一身専属性)を失い、債権者に分配すべき財産となると考えられています。

また、すでに慰謝料を受け取っている場合、これは単純な現金、預金となっているといえますので、同様に分配の対象となります。

⑶ 慰謝料を請求される側の自己破産

「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は、非免責債権とされています(破産法253条1項3号)。

この「悪意で加えた」にあたるかどうかは評価の問題となり、事案ごとに変わってくるものになります。

例えば、ひどいDVを理由とした離婚であれば、それによる慰謝料は「悪意で加えた」と評価されやすいでしょうし、不貞行為を理由とした場合には、その事情、経緯によって事案ごとに大きく変わってくるものと考えられます(DVの内容によっては、故意または重大な過失に基づく生命・身体に対する不法行為として非免責債権となる可能性もあります。)。

そのため、「慰謝料が払えないから自己破産すればいいや」と安易に考えても、事情によって返済義務はなくならない可能性があるためご注意ください。

3 財産分与

基本的に婚姻中に協力して築いてきた財産は夫婦で折半することになりますが、この財産分与の方法が不相当だった場合、破産手続上は否認権行使の対象となります。

債務超過に陥っている状況下で、離婚に基づく財産分与を隠れ蓑とした、実質的な財産隠しのような「偽装離婚」のようなものが想定されます。

4 養育費

養育費は、子供の今後の生活の保護という政策的な側面から非免責債権とされているため、自己破産をしてもその支払義務を免れることはできません。

5 まずは弁護士にご相談ください。

ご事情によっては、借金問題をきっかけとした離婚、その後の自己破産ということもあるかと思います。

上記のとおり、複数の法律関係が問題となることが想定されますので、離婚の問題も絡む自己破産の問題については、弁護士にご相談することをお勧めします。

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